古典的な軸、つまり直交座標軸といえば、X、Y、Z、つまり水平、垂直、奥行き、あるいは前後運動を思い浮かべるでしょう。
計測学で軸という場合、違うものを指します。
Quantum X FaroArm®シリーズなどの測定アームでは、軸は関節、つまり人間の腕のような可動域を指します。
軸の基本
アームを使って接触測定を行う場合、アームが測定対象部分の周りを完全に自由に移動できるようにするには、6軸が必要です。非接触タイプのレーザースキャニングでは、レーザーラインプローブを操作できるように7番目の軸が必要です。
そして、8番目の軸を持っているのがFARO 8-Axis Maxです。
適切な方向へ回転
アームアクセサリーは、特許取得済の計測グレードの独立型回転テーブルで、測定アームと統合された8番目の軸でテーブルを回転させることにより、大きな部品や対象物をスキャンすることができます。内蔵エンコーダーと高度なソフトウェアを組み合わせることで、アームと8-Axis Maxは基本的にリアルタイムで相互通信し、8-Axis Maxに組み込まれたエンコーダーで測定された角度と測定アームの各部分の長さを頼りに、正確な測定を行います。
大きな利点を活かしてビジネスを拡大
寸法精度の向上でさまざまなメリットを享受できます。
リープフロッグから8-Axis Maxへ
「リープフロッグ」、より専門的には「リープフロッグ位置合わせ技術」とは、ポータブル3次元測定器を移動して、現在の位置とは別の場所から部品を測定できるようにすることです。位置合わせには、一連の要素を測定し、次に測定器を動かして、同じ要素を同じ順序で再測定する必要があります。
予想されるように、リープフロッグアライメントの実行はハイリスク、ハイリターンの試みです。正しく行えば、測定したい部品を正確に測定できますが、間違った方法(つまり、完璧ではない方法)で測定すると、測定データに位置合わせ誤差が生じます。また、時間のかかる作業でもあります。
利益の増加、検査と品質保証の強化を実現
8-Axis Maxを活用することの利点は、大きな利益だけではありません。また、利益は小さな積み重ねで実現します。既存のアームの機能を自然に拡張することで、部品の検査や品質保証の作業を完了することができます。しかも、ターゲットシールを貼付する必要はなく、他の方法よりも速く正確に実現できます。
- 最大220ポンド(100 kg)までの重量物の測定が可能です。そのため、移動が難しく、作業者が怪我をする危険性があるような大型の部品も、そのリスクなく測定できます。
- 壊れやすい物体の損傷のリスクを軽減(壁、テーブル、機器などへぶつかるリスクを排除)
- 不規則な形状の小型・中型の部品を測定する能力が向上
- 部品を再配置する代わりに、同じ座標系の回転テーブルを使うことで時間を節約
へこみ、傷、損傷の可能性を削減
部品を物理的に移動する必要がないため、次の利点もあります。
測定すべきタイミングは今
まとめると、測定アームが届きにくい箇所を測定することができ、その工程で検査と品質保証の大幅な向上を達成したいのであれば、8-Axis Maxは理想的なソリューションです。
FARO Edge、FARO Design ScanArm、FARO Quantum、FARO Gage Max、FARO Quantum Max、FARO Quantum X製品などのFaro Armと互換性があり、既存のFaro Armからアップグレードすると、ポータブル3次元測定器でのスキャンおよび接触測定による精度や効率を向上することができます。
8-Axis MaxはFAROポータブル3次元測定器のアクセサリーではありますが、さまざまな意味で作業の効率化の推進力となります。コンパクトで軽量、そして使いやすい8-Axis Maxは、まさに業界初の製品です。そして、現在そして将来にわたって、中小型部品の測定方法を一変させる推進力となります。
FARO 8-Axis Maxの詳細と、この小型の強力な機器の実際の動作を確認するには、FAROのアプリケーションスペシャリストの高津 彩が、さまざまなアプリケーションと使用例を説明する動画をご覧ください。