私たちが行き交う道路から、私たちが暮らし、働く建物まで、土木工学は私たちの身の回りにあります。何世紀もの歴史を持つこの分野は、私たちが世界と交流し、つながる方法を形作ってきました。土木工学において比較的新しいのが、LiDAR（光による検知と測距）技術です。近年のLiDARの開発と実用化により、土木技術者にとってLiDARは非常に貴重なツールとなりました。このブログでは土木工学におけるLiDARの利点について説明します。
土木工学とは？
土木工学は、自然環境と人工環境の両方の設計、建設、保守に役立つ専門分野で、その成果には、道路、空港、運河、下水道、鉄道線路、橋などが含まれます。
土木技術者は、安全かつ政府の規制に準拠した構造物の構築などのプロジェクトにおいて構想から完成まで進めます。これは熟練を要する職種であり、高度な実践的知識が必要です。土木工学においてLiDARは、プロジェクトのライフサイクル全体にわたってエンジニアを支援することができます。
LiDARとは？
LiDARは20世紀半ばから後半にかけてNASAなどの組織で導入されてきましたが、商用として実用化されたのは1990年代以降です。過去20年間のLiDARの研究開発とその応用は新たな機会を生み出し、現在も多くの分野で発見されています。土木工学はLiDAR技術のこの急速な変化の恩恵を受けてきており、今でもそれは変わりません。
LiDAR技術は、現実世界の環境を緻密なディテールと精度で3Dデジタルで表現します。こうしたデータは、要素の視覚化、計測値などの重要な情報の抽出、専門ソフトウェアを使用した3Dモデルの生成に役立ちます。このデータが重要となる一般的な例としては、コンピューター支援設計（CAD）やビルディングインフォメーションモデリング（BIM）の作成などがあります。
LiDAR スキャナーの多様性は時間とともに拡大し、そのたびに新たな機会がもたらされています。LiDARセンサーは非常に高密度で正確なデータを取得するために地上型レーザースキャニング（TLS）で使用されたり、上空からデータ取得するためにドローンに取り付けられたり、または手の届きにくい場所から正確な情報を取得するためにハンディデバイスに搭載されています。最近では、LiDARセンサーがスマートフォンに搭載されるようになり、精度はやや劣るものの、この技術に興味を持つ人がさらに増えています。
土木工学におけるLiDARの利点
LiDAR技術は、プロジェクト期間中だけでなく、それ以降も土木技術者にとってさまざまな用途に使用できます。次に例を示します。
数値標高モデル（DEM）
DEMは、調査された地形のデジタル表現として使用されます。LiDARセンサーでエリアをスキャンすると、斜面などの地形変化を示す結果が迅速に得られます。これは、道路や鉄道などのインフラを構築する際の潜在的な問題の検出に最適です。
進捗状況の更新
大規模なプロジェクトには、定期的な進捗状況の更新を必要とする多くの関係者がいます。LiDAR技術を使用したスキャンでは、時間の経過に伴う変化が示され、プロジェクトの進捗状況に関する明確なレポートが作成されます。さらに、3D点群を計画中のCAD図面と比較して、実際の構造や計画の進行状況をリアルタイムで確認できます。
記録の保持
プロジェクトではライフサイクル全体にわたって正確な記録を保持することが重要です。将来、論争の解決、増築工事、あるいは構造物が損害を被った場合の参考のために、図面へのアクセスが必要になる可能性があります。LiDAR技術を使用して定期的にスキャンを実行することで、プロジェクトの完成前、進行中、完成後の3Dモデルが提供されます。
生態系および土地分類（ELC）
ELC調査は、景観の生物学的および物理的情報を提供します。LiDARは土木技術者に土地の詳細な地図を提供し、この地図は調査対象地域の持続可能な管理のためにELC調査と組み合わせることができます。
トンネルの測量
LiDARはトンネルからデータを取得するのに最適なソリューションです。正確で詳細な3D点群を使用して、線路や道路の建設に先立ってトンネルを解析、評価、またはモデル化できます。さらに、3D LiDARデータはトンネル内の欠陥を描写し、潜在的な構造上の問題を浮き彫りにすることができます。
土木工学におけるハンディLiDAR
ハンディLiDARソリューションは土木技術者にとって理想的なツールです。迅速かつ正確なデータ収集により、マッピングのプロセスが再現可能になり、上記の用途の多くに最適です。さらに、ハンディスキャナーであるため、アクセスしにくい場所のマッピングが可能で、スキャナーの汎用性によりアクセサリ（例：UAVデータ取得) の使用も可能です。
ローマの建造物は2,000年以上も昔のものであり、時の試練に耐えてきました。LiDARマッピングを活用して簡単に高精度で竣工状態と自然界を計測することで、土木技術者はある種の黄金時代を謳歌しています。過大な労力をかけずに重要な地理空間情報を収集するための手段を活用して今日建設される建造物は、私たちが今も歩けるローマ街道と同じくらい長持ちする可能性が高まっています。