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SLAMとは何か、どのように機能するのか?

What is SLAM?

過去数十年にわたり、SLAM(自己位置推定と地図作成の同時実行)は、屋内、屋外、地下環境を自律的に移動しながらスキャンすることを可能にする技術の結集として発展してきました。

SLAMとは?

SLAMは、1995年の国際ロボット研究シンポジウムで発表された科学論文で初めて使われた用語で、いわゆる「鶏が先か卵が先か」の問題に対処しようとするものです。例えばロボットのような自律型または半自律型のデバイスは、三角測量を行う全地球測位衛星の助けを借りずに、どのようにしてリアルタイムで地理空間上の位置を特定し、同時に周囲の地図を作成し、その地図上に自身の位置を配置するのでしょうか。

どちらが先なのでしょうか?(まさにこれは鶏と卵の難問です。つまり、地図か?それとも、ロボットが作成しようとしている地図の中でのロボットの位置か?)

その答えは、SLAMという単語自体から明らかになります。SLAM技術は、高度なコンピューターアルゴリズムと、LiDAR(光検出と測距)や360°カメラなどの光測距技術を使用し、両方の機能を同時に実行することで、鶏と卵の問題を「解決」します。SLAMを搭載したモバイルデバイスはLiDARを使用します。LiDARは対象物にレーザー光パルスを照射し、その光がデバイスに向かって反射して戻ってくるまでの時間、つまり飛行時間(ToF)を測定します。

LiDAR、SLAM、IMU

レーダー(無線探知および測距)が周囲の状況をより良く把握するために電磁波を利用するのと同様に、LiDAR SLAMは光波を利用して周囲の状況の画像を構築します。LIDARは地図を構築し、収集されたデータの3D点群を作成するものです。位置の最良推定値を算出するSLAMアルゴリズムは慣性計測装置(IMU)でさらに補強されます。IMUには加速度計、ジャイロスコープ、場合によっては磁力計が含まれます。

これらのツールを組み合わせることで、3D空間内でのオブジェクトの移動、回転、位置の変化を計測できます。多くの場合、この技術はドローンやスマートフォン、さらには物体の位置をリアルタイムで追跡するための「スマート」運動器具など、さまざまな製品に組み込まれています。この技術は、密生した樹冠によって全地球測位データが遮断される鉱業や林業など、GPSによる三角測量が困難または不可能な状況において最も理想的です。

また、無人自動車、UAV(無人航空機またはドローン)、拡張現実や仮想現実のアプリケーション、建物や閉鎖空間内の屋内ナビゲーション、建築、エンジニアリング、建設、森林みたいに「コンクリートジャングル」がGPS信号を遮断または部分的に妨害する可能性がある長期的な都市計画にも有用です。

LiDARベースの SLAM(2Dおよび3Dマッピングを含む)に加えて、ビジュアルSLAM(vSLAM)もあります。その名が示すように、ビジュアルSLAMはカメラのみを使用して環境をマッピングしながら、周囲に対するデバイスの位置と向きを計算します。一方、要素ベースのビジュアルSLAMは、連続するカメラフレームを通じて関心のあるポイントを追跡し、カメラの3次元位置を三角測量します。この情報は3Dマップの構築に使用されます。

SLAMとは何か、どのように機能するのか?

SLAMによるモバイルスキャンの価値

モバイルスキャンは、過去30年間に地上レーザースキャナー(TLS)によって実現されてきた、静的リアリティキャプチャを技術的に補完するものです。FARO Focusや FARO® Focus PremiumのようなレーザースキャナーはFlash Technologyを搭載しており、固定位置スキャンが実現できる(現在の)高水準で完璧な製品です。

しかし、そのスピードと精度の成功があったとしても、最大6mmまでと精度が向上しているモバイルスキャニングは重要な時間の削減になり、その汎用性により、アクセスが困難な場所を効率的にスキャンするのに優れています。

実際、この技術の最新版では、通常の歩行速度が時速2~4マイル(時速3.2~6.4キロ)の場合、SLAMモバイルスキャニングシステムは、従来のTLS手法のみの場合よりも最大で約10倍速くデータを取得することができます。(モバイルスキャニングには時速30マイル(時速48キロ)のスピードでも高品質なデータを取得する能力があり、移動中の車両からのデータ取得が可能です。)

この効率向上は、大きな生産性相乗効果をもたらします。SLAMベースのモバイルスキャンを使用すると、より多くの場所をより迅速にスキャンでき、現場で作業する人員を削減するとともに、データエラーのリスクを減らすことができるため、現場への再訪問の必要性が減少または排除されます。(スピード、正確性、使いやすさ、可搬性のおかげで)スループットの向上とプロジェクト間の機敏性が高まれば、既存の市場でも未開拓の市場でも、重要な新しいビジネスチャンスが生まれる可能性があります。

SLAM技術の進歩はTLSを完璧に補完するものとなり、さまざまな顧客や用途に対応する静的およびモバイルスキャニングソリューションを完成させました。

SLAMとは?

SLAM技術の未来

SLAM技術は、Flash Technologyを搭載したHybrid Reality Captureやモバイルスキャニングソリューションなど、静的レーザースキャンの長所を結集しています。

つまり、非常に細かな作業には固定スキャニングを使用するが、ほとんどのプロジェクトのニーズを満たすレベルの精度で、自然環境と建設時の環境を素早くマッピングして測定することができ、プロジェクトの関係者をはるかに優れた最終結果で満足させることができるということです。

未来に何が起こるかを予測することはほぼ不可能ですが、過去から推察するとすれば確かなことがひとつあります。SLAM技術は確実に進歩を続け、速度と精度が向上し、その用途は拡大し続けるでしょう。

つまり、屋内外を問わず物理的な世界をマッピングおよび計測することに関しては、SLAM技術が急速に「確実な成果」になりつつあるということです。

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